海の守り神 ホヌ

2022年07月31日

ハワイではとても神聖な生き物とされ、幸運を運んでくる「海の守り神」とされているウミガメ。
ハワイ語で【ホヌ】と呼ばれ、オアフ島の多くのダイビングポイントで観察することができます。

ハワイに生息しているウミガメの種類についてです。
全部で5種類のウミガメが生息しています。

・アオウミガメ
・タイマイ
・アカウミガメ
・ヒメウミガメ
・オサガメ

このうち、ダイビング中に観察できる種類は、アオウミガメとタイマイの2種類です。
しかしながらハワイのダイビング中ではタイマイもあまり見かけることがありません。
ほぼ95%ほどはアオウミガメです。

アオウミガメはハワイ語ではホヌですが、英語ではなんというのでしょうか。
正解は、【Green Sea Turtle】です。
英語名の名前の由来は、アオウミガメの体脂肪の色が緑だからです。

ではなぜ日本名では青(アオ)なのでしょうか?どの部分の青が由来で名前がついたのでしょうか?
実は和名のアオウミガメは英語名と同様に体脂肪の色の緑が由来とされています。

ん?

はい、そう感じる方が多いと思います。
実は昔の日本特有の文化で緑を『アオ』と呼ぶことがあったそうです。
昔は青色の範囲が広くて緑色も青色の一種類とされていた時代があったらしいです。
日本の信号機も緑色をしているのに青信号、野菜も青菜と言ったり、八百屋さんのことを青果店というのと同じですね。

ちなみに私が以前いたニューカレドニアはフランス語圏だったのですが、フランス語でもアオウミガメのことを【tortue verte】、直訳は緑色のウミガメなので、英語名と同じです。

次はアオウミガメの食事についてです。
主に海草や海藻を食べます。よくダイビングポイントのホーシューリーフ近くに生息しているウミヒルモなどを食べているところや、岩についている海藻を食べているのを見かけます。
あとはごく稀に浮遊しているクラゲを食べているのも何度か見かけたことがあります。
子供のときは雑食性でエビやカニ、貝や魚の卵を食べるらしいのですが、未だ私はハワイの海では見かけたことがありません。

タイマイを見かけたときは、岩をひっくり返して甲殻類を探している風景をよく見かけます。

ハワイではタイマイは主に甲殻類を食べるために回遊しており、アオウミガメはその場所に生えている海草などを食べるため、ある一定の範囲の場所に留まって生活しているため、タイマイよりもアオウミガメの方が出会える確率が高いのだと思います。

オアフ島のダイビングポイントでは浅瀬珊瑚礁のリーフで潜ることが多いのですが、このリーフに生息する魚たちのおかけでアオウミガメが見れる確率が上がっています。
上の写真の生物たちはハワイにしか生息しないハワイ固有種で、アオウミガメの甲羅や身体についているコケや寄生虫などを食べて掃除するクリーナーフィッシュです。
1枚目と2枚目の黒い魚はゴールドリングサージョンフィッシュ、3枚目はハワイアンホワイトスポッテッドトビーです。
あおうみがめも掃除をしてもらいたくて、彼らが生息しているリーフへ寄ってくるのです。

ダイビングポイントであるシークレットリーフ、ホーシューリーフは、ウミヒルモが生えていて、彼らクリーナーフィッシュが生息していて、休憩できる岩穴があるために、高確率でアオウミガメに出会えることができます。

アオウミガメはエラがなく、水中で酸素を取り入れることができないため、水面に浮上して呼吸する必要があります 。泳いでいるときなどは4〜9分ごと、岩穴などで休憩している場合は2 ~ 4 時間ごとに浮上します。

アオウミガメは普段は水中にいますが、たまに陸に上がってきて日向ぼっこをしています。
卵を産むときも上陸します。

ここで問題です。
アオウミガメは何類になると思いますか?

ダイバー向けの魚図鑑に掲載されているので魚類?
海と陸を両方生活できるから両生類?

正解は【爬虫類】です。
正確には 爬虫綱 - カメ目 - ウミガメ科 - アオウミガメ属 - アオウミガメです。
爬虫類の条件である、硬いうろこに覆われていること、肺呼吸、卵を産むことなどが挙げられ、これらにアオウミガメは該当しています。

オアフ島ではいろんなポイントで見ることができるので、ぜひ実際に潜りにきていただき、目で見て、ホヌについて一緒に勉強していきましょう!

オーナーHiroが撮影したハワイの生物たちの写真をHPにアップしています。
ぜひこちらのフォトギャラリーをぜひご覧くださいませ